日本人と稲作文化

2010.06.25

●「豊葦原の瑞穂の国」トヨアシハラノミズホノクニ

 

 

 日本の国土は、地球上の位置からみても、山の高さと傾斜、海までの距離を考えても、絶妙なバランスを保っている。この、日本独特の風土が、豊かな稲作文化をもたらした。また、川の出口、海の入り口の干潟の姿が「豊葦原」の姿で、月がゆらす揺りかごのようなこの場所に、八百万(やおよろず)の生命が宿る。

 日本の近代化とともに稲作の方法もずいぶん変わった。もともと日本の農地面積は欧米のそれとは比較にならないほど小さいにもかかわらず、近代農政は徹底した合理化政策を行った。機械に合わせた田んぼや苗作り、流通コスト削減のために箱に合わせた大きさの野菜の生産等、人間のご都合主義による改革が始まった。インドの「緑の革命」がもたらした最終的弊害に対しての反省や是正もなされぬまま(※注)、性懲りもなく次は、作物生産のための巨大プラント化を進めている。

 

※注 緑の革命:インドなどの途上国での爆発的な人口増加による食料不足の解決策として、多収穫品種のコメなどを開発して対処すること。単位面積あたりのコメの収量は増加したが、一方で農薬や化学肥料による環境汚染や、農薬・化学肥料を輸出する先進国と、それを買わされる途上国間での経済格差等の問題を引き起こした。

 

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木村広夫(きむら・ひろお)
NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク理事長。グラフィックデザイナーとして活躍後、1988年に岡田茂吉氏の「自然農法」に出会う。1995年、横浜市青葉区の「寺家ふるさと村」の休耕田で稲作を開始、自然農法農家として独立する。生命の学びの場として自然農の田畑を地域の人と共有すべく、2008年NPOを設立、現在に至る。
http://www.nounimanabu.net/

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